コンサルタントのスキル「観察力」

観察力を高める

■ 観察力の重要性

コンサルタントのスキルの第1番目は「観察力」です。これは文字通り、事象を見る眼のことです。クライアントを訪問した時など、最初の印象で、どう感じるかは、極めて重要です。

先日、テレビで税務署を舞台としたドラマを放映していましたが、 その中で、海外に輸出すると思われる段ボールが積んであるのを見て、それを糸口に、不正を見抜くというシーンがありました。 これは、まさにプロの観察力です。

決算書や帳簿などを丹念に調べることは、もちろん重要なのですが、それだけでは、真実は見えてきません。現場に行き、観察することによって、初めて真実が見えてくるのです。刑事が現場100回 などというのも同じ意味です。

コンサルタントも、現場を最も重視します。製造業ならば工場に、 卸売業なら倉庫に、小売業ならば店舗に、必ず自ら足を運んで、 自分の眼で確かめることが必要です。もし少しでも違和感や疑問点があれば、何度でも現場を訪れます。

■ 仮説と先入観の関係

観察力とは、直観です。ありのままを直接見て、どう感じるのかということが重要です。特に、些細な違和感などを重視します。どう感じるのかということは、ある種のセンスです。

最初から感度が高い人もいれば、何度やっても感度が鈍い人も いるのは事実です。しかし、誰でも観察するという意識を持って、 経験を積み重ねれば、ある程度は観察力が鋭くなります。

観察に基づいて、仮説を持つことは大切ですが、それが先入観とな り、その先入観に固執してはいけません。観察から得られたこと は、あくまでも直観による仮説なのですから。

マスコミで検察の証拠の取扱が問題になっていましたが、先入観に固執して、自らの組み立てたストーリーに、事実である証拠のほうを合わせようとするのは最悪であり、コンサルタントとしても、 絶対にやってはいけません。

しかし、それは観察による直観で仮説を持つことを否定するという意味ではありません。仮説を立てなければ、限られた時間枠の 中で、効率的に真実を見出すことは難しいからです。

しかし、仮説はあくまでも仮説なのですから、必ず事実による裏 付けが必要です。もし、事実で裏付けできないのならば、その仮説は捨て去る勇気を持たなければなりません。

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