経営コンサルタントが、組織とは?組織の意味や役割を考えるときに思い出していただきたい言葉をご紹介します。組織論理を優先したり、安易なリストラやコストダウンに走らないように諫めて欲しいと思います。
「人は組織より先にいるのである」
これは、石川島重工業・石川島播磨重工業 社長、東芝 社長・会長を歴任、経済団体連合会第4代会長に就任し、中曽根内閣の第二次臨時行政調査会でも辣腕を振るった土光敏夫の語った言葉です。
「メザシの土光さん」としても親しまれたほど、質素な生活を好み、質実剛健な人物として有名でした。組織を蘇生させる名人と呼ばれていました。
半沢直樹などでもテーマとなっているように、企業でも官庁でも、組織が大きくなるにつれて、いつのまにか組織が最優先になり、正義や常識がどこかに行ってしまい、正直な人が犠牲になるという傾向があります。
このような風潮に対して、ズバリと切り込んだ言葉となっています。実体として存在するのは人だけで、組織は実体のない目に見えない幻であることを思い出させてくれます。
本来は、人のいない組織などありえないのであり、組織を独り歩きさせてはいけないのです。
組織とは?組織の意味や役割を考える
多くの企業では、最初に組織図ありきであって、そこに人を当てはめようと考えます。適材適所というのも、あくまでも人を組織図に上手に当てはめた状態を意味するのです。
最初は良いのですが、時間が経つにつれて、組織は硬直化してきます。まず、組織ありきで縦割りの弊害が生じてきます。組織の中の部門ありきで、他部門と協調することなく、自部門の利益のみを追求する姿もみられます。
一流の経営コンサルタントは、このような硬直した組織に切り込んでいかなければなりません。硬直した組織を一度、破壊することを考えます。そして、企業改革にとって重要な役割を果たすキーマンすなわち人は誰かを見極めます。
キーマンが仕事をしやすいような組織はどのような姿かを想い浮かべて、組織を再編成して、企業改革に取り組んでいきます。
土光敏夫は次のような言葉も語っています。「よい組織とは、その組織を構成する人々の位置や組み合わせが最適の状態にあることだ。人々の動きがチームワークの状態になっていることだ。」
組織は、人が仕事をしやすいように、時代の変化に合わせて、適宜、変えていくことが大切なのです。